リカレント教育・生涯学習

まだまだ課題は山積み?リカレント教育の現状とは〜日本の社会的背景とリカレント教育についての考察〜

2019年7月23日




そもそも「リカレント教育」とは?

「リカレント教育」って聞いたことがありますか?
ひと言でいえば、「学び直し」のことです。
社会に出た後も、必要に応じて教育機関に戻り、新たな知識や教養を身につけ、また社会へと戻っていく。
この循環(=リカレント)を理念とする仕組みが「リカレント教育」と呼ばれるものです。

リカレント教育に注目が

いま、日本でもこのリカレント教育が注目を浴びています。
なにせ人生100年時代です。従来のように若者が学び、青年が働き、定年を迎えて引退する時代ではなくなりました。
おまけに情報技術の発達によって、社会が必要とする知識やスキルも増加しています。
そんななかで、「学び直し」の重要性が議論されるのは当然のことのように感じられます。

日本のリカレント教育の現実

2015年にOECD(経済開発協力機構)がおこなった調査によると、25歳以上で高等教育機関(=大学)に入学する人の割合は、加盟諸国平均で16.8パーセント。
これに対し、日本はわずか2.5パーセントにとどまっています。
日本のリカレント教育が世界に追いついていないことは、火を見るより明らかです。

よくTV番組で芸能人の受験企画がおこなわれているように、本来、大学はすべての人に対して開かれているもの。
それは誰もが分かっているはずではないでしょうか。
潜在的に学び直したい社会人は多くいるはずなのに、日本のリカレント教育は二の足を踏んでいます。
ここではその理由について少し考えてみましょう。

1.長時間労働

「大学で学び直したいけど、時間がない……」
一番の理由はこれでしょう。
世界でもトップクラスの労働時間を誇る(?)日本。政府も改善に向けて動いていますが、残業で自分の時間を持てない社会人は多いはず。
これでは学習の機会を持つことは難しいでしょう。
現在、政府は時間外労働に上限を設けるなどの働き方改革に乗り出しています。
まずは日本の労働状況を変えなければ、始まるものも始まらないように思います。

2.企業の理解

長いあいだ終身雇用を基盤としてきた日本企業は、社員のキャリアアップを主に社内教育を通しておこなってきました。
景気の悪化で昔のように社員教育に力を入れることは難しくなったかもしれませんが、それでも外部委託に前向きでない企業は存在します。
ましてや大学への再入学ともなれば、貴重な人材を社外に放出してしまうリスクも大きいはず。
このあたり、企業側の理解が得られなければ、リカレント教育の普及は難しいでしょう。

3.大学側の受け入れ

先ほども述べたように、大学とはすべての人に対して開かれているべきものであり、こうした理念のもとに社会人入試の枠を設けている学部もあります。
しかし、なかには到底社会人向けとは言いがたいカリキュラムが組まれていることも多く、いわば形だけの制度になっている場合も散見されます。
リカレント教育の環境は、あくまで社会人がキャリアアップを図るための手段として整備されなくてはなりません。
かつてのような夜間学部(二部)を設置する大学も減ってしまいましたが、今あらためて、学生と社会のニーズに合った教育方法を提供することが求められています。

おわりに

こうして考えてみると、リカレント教育に求められているのは、まさに産学官連携と言えるようなものです。
いずれの要素が欠けても改革は実現しません。

あらゆる人が学べる仕組みをつくるために、さまざまな垣根を越えた議論が必要になるはずです。

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