経済学

オークションラボの第8回ワークショップ「投票とレーティング」(ALISスペシャル)レポート〜スピーカーは坂井豊貴教授(慶應義塾大学教授)×安昌浩さん(ALIS CEO)

2019年7月30日

「オークションラボ」ワークショップ後の歓談タイムより。コーヒーを片手に和やかな様子の坂井豊貴教授。

「オークションラボ」ワークショップ後の歓談タイムより。コーヒーを片手に和やかな様子の坂井豊貴教授。




投票とレーティング

こんばんは。
リカレンティスト編集長です。

先日、オークションラボの第8回ワークショップ「投票とレーティング」(ALISスペシャル)に参加しました。

今回のワークショップでは「決め方の経済学」がテーマ。

今回のスピーカーは実務とアカデミックという異なる世界で活躍されているお二人のコラボレーションです。

Quadratic Voting(QV)とは

まずは前半の安昌浩さん(ALIS CEO)による、Quadratic Voting(QV)について。

Quadratic Voting(QV)は、投票用のCreditが全員に配布され、そのCreditを消費して票を購入し投票することができる投票方法です。

Quadratic Voting(QV)のルール

  1. 一人一票のルールはない
  2. 投票用のCreditは使わずに蓄積していくことも可能
  3. 蓄積したCreditで多くの票を持つこともできる

Quadratic Voting(QV)の場合、無関心なテーマの投票は無視して、自分が重視するテーマの投票で多くの票を投じることも可能です。
ですから、マイノリティの人々が票を蓄積し、ここぞという時にその票を使えば世の中の仕組みを変えることができるかもしれません。
Creditの範囲内であれば、現在の一人一票のルールよりも自身の意思を最大化できるのがQuadratic Voting(QV)のメリットでしょう。

ただ、Quadratic Voting(QV)は性善説に基づいているからこそ効果を発揮する投票方式のようにも思えます。

例えば、力の強い人間がマイノリティの人々を支配し、以下のような命令をするとします。

  1. 投票用のCreditは使わずに蓄積すること
  2. 自分が命令したら投票用のCreditをすべて使用し投票すること

現状の一人一票ルールよりも「組織票」により強力に結果を操作されるリスクもあるのではないでしょうか。

そのため、Quadratic Voting(QV)を活用するとしたら、ある程度性善説が担保された世界、例えば、コミュニティなどで有効な投票方式だと思います。
昨今、何かと「コミュニティ」というキーワードが注目されているので時代の空気感にマッチしていること、そして、性善説の担保を抜きに考えるなら、投票用のCreditが全員に配布されるため、個人の意思の反映のサイズ感がトータルで平等なところが良いと感じました。

Majority Judgement(MJ / マジョリティージャッジメント)とは

後半は、坂井豊貴さん(慶應義塾大学教授)による、Majority Judgement(MJ)についてです。

Majority Judgement(MJ)は、7段階評価の絶対評価による投票方式で多数決の欠点に対抗することができます。

多数決の欠点とは

一人一票の多数決は何故ダメなのでしょうか。
それは多数決には票の割れというデメリットがあるからです。

例えば、2000年のアメリカ合衆国大統領選挙において、ネーダーとゴアは考えが近かったために票の割れが起き共倒れしてしまったため、ブッシュが勝利という結果となりました。
一見公平なように見える多数決ですが、意図的に票を割らせて勝利するという「戦略」を使うことも可能なのです。

Majority Judgement(MJ)のメリットとは

  1. 票の割れに対するベストな方式ではないかといわれている
  2. 細かく評価を分けることで引き分けになりにくい
  3. 絶対評価なので集める情報がリッチ

マジョリティージャッジメントは全体としての評価を「真ん中」にするため、

  1. 代表性の高い結果がわかる
  2. 極端な意見が通用しない

というメリットもあります。

また、絶対評価は相対評価への変換が可能ですが、この逆は不可能です。
そのため、もしも多数決だったら?という場合の数値を取り出すこともできます。

このように、Majority Judgement(MJ)は人々の意思を詳しく知ることができる投票方式なのです。

Majority Judgement(MJ)の活用法とは

坂井豊貴教授の公式Twitterによると、マジョリティ・ジャッジメントを意識や人気の調査に活用することをおすすめされています。

リカレンティストは公式Twitterで学びに対する様々な意識調査を行なっています。
意外な結果に終わるものもあり、調査を行う側としても楽しいです。


今後、リカレンティストでもマジョリティジャッジメントを取り入れた意識調査を行ってみたいなと今回のワークショップを通して感じました。

今回、参加したワークショップの概要について

オークション・ラボは「オークション」のビジネス活用を考えるビジネスパーソンと研究者の交流スペースです。オンラインで情報を発信するとともに、オフラインでのワークショップを開催しています。

引用:Auction Labより

Auction Labのウェブサイト
https://auction.amebaownd.com/

ソーシャルメディア「ALIS」

コーポレートサイト:https://alismedia.jp/ja/
ALIS:https://alis.to/
「ALIS」はブロックチェーン技術を用いた分散型ソーシャルメディアプラットフォーム。
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ソーシャルメディア「ALIS」の新カテゴリー総選挙

今回のワークショップで登場した投票制度『マジョリティー・ジャッジメント』で行われています。
https://alis.to/ALIS-official/articles/3ldpNVGB69zQ

坂井豊貴教授の書籍







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