・哲学は役に立たないのか?
現代日本において哲学といえば、役に立たない学問の筆頭とみなされています。
しかし、例えばアメリカやイギリスなどでは、大学で哲学の勉強をしていたことは就職にもプラスに働きます。
それは哲学の勉強に、社会人としての能力を伸ばす効果があるからです。
その効果とは何か?大きく2つにわけることができます。
・論理的思考が身につく
哲学とはロジカルシンキングつまり論理的思考の極致です。
精緻な論理に基づいて書かれたテクストを読み、批判的に吟味していく。そしてそれを他者と討論する。
こうした作業の結果、学習者の論理的思考能力も研ぎ澄まされていきます。
ものごとを論理的に考え、それを論理的に表現し伝える。これは社会人にとっても大いに有益な能力だといえるでしょう。
・複眼的な発想法が身につく
論理だけではそれは論理学であり、哲学にはなりません。
哲学には時代の常識を打ち破るような独自の発想があり、その発想の上に論理が積み上げられていくのです。
さまざまな哲学者の思想にふれることで、学習者はそれだけたくさんの世界観を知ることになります。
世界の見方がひとつではないということ、新しい見方が可能なのだということを学ぶわけです。
ここから、ものごとを複眼的に見る能力が身についていきます。
これはイノベーションに欠かせない技術であり、社会人にとっても大切な能力です。