大学の学部選択に当たっては、つぶしのきく学問を選択しろ、
と昔の人は言いました。
今風に言えば、大学で勉強したことが、その後の人生に直接役に立つコスパのよい学問とでも言えるでしょう。
経済学という学問は、その意味で今も昔も人気があります。
しかし、大学で経済学を学ぶと言っても、具体的にどんなことを勉強しているのかわかっている人は、少ないのが実情です。
いや、そもそも経済学の経済とは何のことなのか、きちんと言える人も少ないのです。
そこで、本当に大雑把に言ってしまえば、このように言えます。
経済というのは、
人間が毎日行う諸活動のなかで、金にまつわる活動のこと
です。
例えば、今の日本社会に照らして考えてみましょう。
ある人が、何か買う時、金が必要です。
その金を獲得するために、ある人は普通はどこかで働いて稼がなくてはいけません。
そして、稼いできた金のトータルの枠内で、ある人は生活して行かなくてはいけません。
これが、もっともベーシックな人間の金にまつわる活動です。
これを、学問的に発展、体系化したのが、大学で学ぶ経済学です。
大学で学ぶのですから、そこには誰でも納得できるような理論や根拠に基づいた内容でなければならないのは、大学で学ぶその他の学問と同じです。
そのため大学で学ぶ経済学は、数学をふんだんに用いた抽象化がなされています。
ですから、世間的にいうつぶしとかコスパのよい学問に、大学で学ぶ経済学が当たるのかどうかは、少々疑問です。
しかし、実際そうなのか、それとも違うのかを自分で確かめるために、大学で経済学を学ぶことは、意味のあることだと考えます。