【分析哲学と現象学とは】
現代の哲学には様々な潮流があります。
アメリカやイギリス、オーストラリアなどの英語圏では、分析哲学と呼ばれる、非常に自然科学の方法論に近いような哲学が主流です。
一方でドイツやフランスなどの大陸では、現象学と呼ばれる哲学が主流です。
分析哲学と現象学は、互いに交流を深めていますが、依然別系統の哲学だという見方が強くあります。
【現象学とは】
それでは現象学とはどのような哲学なのでしょうか。
ごく単純に言ってしまえば、
「私にとって世界がどのように見えているか」
を記述するという方法論です。
エドムント・フッサールというドイツの哲学者が考え始めました。
【判断停止】
具体的にどういうことでしょうか。
たとえば、
「りんごが存在する!」
と主張しても、
「存在しないかもしれないではないか」
と反論されてしまえば、うまく言い返すのは難しいわけです。
しかし、現象学ではまず
「この際だから、存在するかどうかは置いておこう」
とします。
これをエポケー=判断停止と言います。
【そして記述する】
判断停止をした上で、存在するかどうかは別にして、ともかくりんごがあるように見える、そしてこのように見える、ということを淡々と記述してゆくのです。
なんだか、自分にもできそうな気がしてきますね。
この手法を身につければ、今日からあなたも現象学者なのです。