社会学の社会学
社会学の社会学、と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。
なんだかふざけた言葉遊びのようですが、実際にそうした学問があるのです。
社会学の社会学は、れっきとした社会学の一分野で、社会学的な仕方での知的生産における社会歴史的文脈の影響の分析を行うものです。
たとえば、ピエール・ブルデューという有名なフランスの社会学者がいます。
その彼によれば、「社会学の社会学」の課題は、受け入れられた真理を検討し、規範の問題に焦点を当て、新しい認識論に向かって行動することです。
また、イギリスの社会学者、アンドリュー・ハルシーは、「社会学の社会学」を概説するなかで、20世紀の政治経済体制と学問分野としての社会学の発展を結びつけています。
社会に対する学問
社会学というのは、そもそもが社会に対する学問であり、ともすれば現実から遊離しているという批判を受けます。
その社会学をさらに社会学するというわけですから、そうやってメタにメタに離れてゆき、現実をなおさら見ていないのではないか、と非難を受けることもありそうです。
しかし、学問というのはいつの時代も、現実から距離をおきながら、しかし現実に役に立つ理論を生み出すことで自らの価値を打ち立ててきたのです。
社会学の社会学も、そうした営みの末にあるものだといえるでしょう。