社会学には様々なサブカテゴリがありますが、社会学を学ぶ際に重要となる分野の一つに、「知識社会学」があります。
なぜこれが重要なのかといえば、それは知識社会学が学ぶことそのものも対象として扱える社会学だからです。
よりきちんとした定義を述べれば、知識社会学というのは、人間の思考とその中で起こる社会的状況との関係、そしてある考え方が社会に及ぼす影響を研究する学問です。
知識社会学の原型は、20世紀初頭の社会学者エミール・デュルケームによって始められました。
彼の著作は、概念的思考・言語・論理などが、社会環境にどのように影響を受けるかを扱うものでした。
「知識社会学」という名称そのものは、その後マックス・シェーラーとカール・マンハイムらの哲学者が使い始めて以来、ドイツ語圏を中心に使われるようになりました。
とはいえ、20世紀半ばごろまでは、主流だった機能主義と呼ばれる考え方の影響があり、広くは広まりませんでした。
しかし、1960年代には、ピーター・バーガーとトーマス・ルックマンが日常生活の分析にこの手法を用い、以降は重要視されるようになりました。
現代では、知識社会学は社会と言語・概念との関係を考える際の必須のメガネとなっているのです。