「意味」という概念
社会学においては、「意味」という概念がとても重要です。
人間は意味を扱う動物だ、というのが、ある種の社会学的な捉え方なのかもしれません。
これはピーター・バーガーやルックマンなどが発展させた知識社会学と深い関係があります。
彼らの著作を読むと、人間が世界を理解しているときに意味という媒介を経由していることの重要性がわかります。
人間の持つ「意味」
また、より現代に近づけば、ニクラス・ルーマンは、「複雑性の縮減」というキータームを用いながら、人間の持つ「意味」というものを考えました。
ルーマンによれば、この世界は本来混沌です。
しかし人間は「これとこれは同じ」とある種の線引きを行うことによって、自分たちが理解できる範囲にまで世界を簡略化する、というのが彼の理論です。
この簡略化を、彼は「複雑性の縮減」と呼びます。
ここからわかることは、私たち人間は、「意味」という契機なしには、世界にも社会にも立ち向かうことができないということなのです。
意味はつねに残存する
もちろん、この「意味」は何かがある度に更新され、組み替えられていきます。
「こうだと思ったけど、本当はこうだった」の繰り返しです。
しかし、意味はつねに残存し続けます。
それこそが、人間の人間らしさだと言えるかもしれません。