美学とは
美学とは何でしょうか。
日本語で「美学」というと、「だれだれの美学」といった具合で、人生論のごとく受け取られます。
しかし、学問的にいえば美学というのは哲学の一分野で、芸術・美・感性・趣味などを扱うものです。
芸術家が作品を考え、作品を創り出し、あるいは音楽などであれば作品を演奏する場合に、いかにしてそれらのことをするのか、といったことを研究します。
また、もう少し哲学的に、頭の良さそうな問題系でいうならば、認識論的視点から、趣味判断や感情の問題を扱います。
絵を見たり、音楽を聴いたり、詩を読んだり、演劇や映画を鑑賞したりするなかで、鑑賞者の心の中で何が起こっているのでしょうか。
また、我々はなぜ芸術を愛するのでしょうか。
ひとつの芸術作品が、他の芸術作品よりも良いと思う場合に、それはどういう理由によるものなのでしょうか。
そうした問いもまた、美学の守備範囲ということになります。
芸術と私たちの心
また、問題は美術から私たちの心の問題へと展開します。
芸術によって私たちの心が動くとき、芸術と私たちの信念や気分、人生への態度はどのように連動するのでしょうか。
「芸術・文化・自然に対する批判的な反省」という定義もあるくらいですし、今見てきたように、美学というのは哲学的な学問なのです。