TMU・プレミアム・カレッジとは?
都立の大学、首都大学東京が来年度からリカレント教育として『TMU・プレミアム・カレッジ』というものを創設することはご存知でしょうか?
これは、50歳以上の方をターゲットにしたプログラムで、東京を主軸にフィールドワークや文理融合科目での授業と従来の大学とは全く異なったものです。
カレッジと名乗っていますが、厳密に言うと大学ではありません。
そのため、大学や大学院を卒業するともらえる学位はありません。
ホームページには専攻科や首都大学東京の学部や大学院への進学も示唆されていますが、修了後は地域への貢献が主に期待されている教育内容になっています。
リカレント教育は税金の無駄遣いなのか?
近年、国が政策として、リカレント教育に力を入れていますが、これに対してインターネット上では「税金の無駄遣いだ。」「それよりも若者や大学の研究環境に投資を増やすべきだ。」など批判的な声が多数集まっています。
確かに今回のTMU・プレミアム・カレッジには都民の税金や首都大学東京の学生の授業業などが投入されているでしょうし、首都大学東京の教授が担当教員として参加しています。
その分を首都大学東京の学生に回した方が良いという側面もあるかもしれません。
しかし、今回のTMU・プレミアム・カレッジの目指す地域貢献という側面から考えると理にかなっていることも多くあります。
学生となる50歳以上の人はこれまで多くの経験から専門知識を持っています。
中には数十年前に大学や大学院を卒業した方も多いでしょう。
つまりは50歳以上の人たちはスペシャリストと言えるわけです。
一方で今回のTMU・プレミアム・カレッジの教育方針は文理融合の教育です。
いわばゼネラリストの教育です。
これにより、ゼネラリストとしての知見を持つ年上世代が若い世代に現場でのスペシャリストとしての経験を継ぐことが出来るわけです。
これは良い循環と言えるのではないでしょうか。
リカレント教育が求められるもの
このように、批判的意見も多いリカレント教育ですが、年上世代の知見を若者世代にフィードバックされるようにすることが大事なのではないでしょうか。
そのような意味では、「東京都」という大きいテーマを軸に文理融合のテーマでの教育を行う。TMU・プレミアム・カレッジは、今後のリカレント教育にあるべき姿なのではないでしょうか。
私はこの首都大学東京の取り組みが上手くいくことを願っています。